個人情報保護の最適解としてウェブでお知らせを導入。日常的な保護者とのコミュニケーションを円滑化し、教職員の負荷軽減を実現

導入事例
芝中学校・芝高等学校

近年、教育現場において保護者とのコミュニケーションや連携は、極めて重要な位置を占めています。そこで情報伝達をいかにスピーディーかつ正確なものにするべく、コミュニケーションサービスを導入する学校が増えています。東京都港区の芝中学校・芝高等学校は、2010年からコミュニケーションサービスの利用を開始している、いわば先駆けともいえる存在です。そこで、同校にサービス導入の背景や導入効果などを伺いました。

導入の背景

個人情報保護の強化を目的に
コミュニケーションサービス導入を検討

芝中学校・芝高等学校は、1906(明治39)年に浄土宗の大本山である増上寺により設立されました。6年間の中高完全一貫教育を提供する男子校で、仏教の「共生(ともいき)」の精神と、法や真理に従って自らを律する「遵法自治」の校訓のもと、自由でおおらかな校風が醸成されています。これまで、多彩な分野で活躍する卒業生を多く輩出しています。

芝中学校・芝高等学校では、2010年9月から学校と保護者のコミュニケーションサービスとしてNTTレゾナントの「ウェブでお知らせ」を利用していますが、導入にあたってはどのような背景があったのでしょうか。導入当時の担当者であり、現在副校長を務める堀口貫治先生は、こう振り返ります。

芝中学校・芝高等学校
副校長
堀口貫治氏

「導入以前はクラスごとに電話連絡網を作成し、それをもとに電話での連絡を行っていました。担任の教員は何件もの電話連絡をして、全員に連絡が行き届くまで気を配らねばならないため、多くの労力と時間を要していました。また、電話連絡網のペーパーをクラス全員の家庭に配布しており、個人情報の保護を強化する観点からも、各家庭の電話番号を開示することなくコミュニケーションが行えるサービスの導入検討を始めました」
2005年4月から個人情報保護法が施行され、社会の関心も高まる中、教育機関である芝中学校・芝高等学校も、その遵守に向けて舵を切ったということです。

サービス選択の要因

日常的に幅広い用途に使えることに加え
データ連携の使い勝手のよさを評価

堀口先生をはじめとする導入検討チームでは、他校の事例をヒアリングしたり、ウェブ上で情報を検索したりすることにより、数社のサービスをピックアップ。各社からのプレゼンを受け、サービス内容や機能、価格などを検討した結果、ウェブでお知らせが採用されることになりました。
「ウェブでお知らせは非常に機能が充実しており、緊急時の連絡だけでなく、日常的に使える機能が備わっていました。従来の電話連絡に代わってコミュニケーションサービスを導入することに抵抗のある教職員もいる中、協議や説得に約1年間の時間をかけ、最終的に、全会一致で『このサービスがいいだろう』という結論に至りました」(堀口先生)

また、「データをエクセルに書き出すことができ、容易に一覧表などで確認できることも管理側としては非常にありがたいと感じました。それも選択のポイントの一つとして挙げることができるでしょう」と、堀口先生は付け加えます。

実際の導入にあたっては、ダミーの保護者アカウントを作成して、実際に保護者側からはどのように見えているのかを確認するプロセスも実施しましたが、無料でアカウントを作成できるなど、NTTレゾナント側の柔軟な対応にも助けられたといいます。

こうして同校では2010年9月にまず中学生を対象に、ウェブでお知らせの運用をスタートさせました。2011年3月に発生した東日本大震災の際には、帰宅できなくなった生徒の保護者への連絡に利用。首都圏でも携帯電話会社の通信制限によりメールの受信・送信が遅延する中、ウェブでお知らせは1IDあたりアドレスが10個まで登録できるため、PCメールのアドレスを登録していた保護者とはスムーズに連絡ができたとのことです。そして同年4月からは対象を高校生にも広げ、全校での利用をスタートさせました。

導入効果

教職員の負荷軽減やペーパーレス化、
緊急時の柔軟な連絡などに大きな効果

同校は、これまで約9年間にわたり継続してウェブでお知らせを利用しています。その間にどのような導入効果やメリットが得られているのでしょうか。

「まず、メッセージ機能を使って日々の連絡を行っているわけですが、以前のように電話連絡網で何件もの電話をかける必要もなくなりました。メッセージを見ていない保護者もすぐにわかりますので、フォローもしやすいですね。クラス担任など、教員側の手間や時間はかなり軽減されています。またアンケート機能も、PTA総会の出欠確認や委任状の回収などにおいて非常に有効に活用されています。生徒にも見せたいプリントは、いまでも配布という手段を取っていますが、保護者のみに届けたいものは、ウェブでお知らせで送信するようにしています。冬期講習の実施要項冊子などもデジタル化し、ペーパーレス化にも貢献できているのではないでしょうか。学校と保護者のコミュニケーションはもちろん、教職員同士の校内の情報伝達にも広く活用しています」
このようなツールを導入している学校でも、PTA総会の委任状は記名捺印された用紙であるケースが依然多い中にあって、PTA役員から理解を得られたのは、同校のウェブでお知らせの活用が保護者から高く評価されているからこそといえるでしょう。

また欠席等届出機能は、業務効率化という視点で大きなメリットを生んでいるようです。同校事務局の倉敷綾乃氏は、その内容を説明します。

芝中学校・芝高等学校
事務局
倉敷 綾乃氏

「導入前は毎朝の欠席や遅刻の連絡については、事務局の職員が電話で応対し、1件ごとにメモを起こして担任の先生に渡すという作業を行っていました。いまでは「欠席等届出機能」を使って保護者からの連絡を担任が直接確認できるようになっていますので、事務局の業務負荷が大きく軽減されました」

欠席等届出機能では欠席や遅刻の理由も入力でき、エクセルデータとして取り出せるため、学校全体やクラスごとの状況が容易に把握できます。

「インフルエンザなどが流行した際の学級閉鎖の連絡を即座にできるようになりました。養護教員やカウンセラーもデータを共有でき、気にかけている生徒の出席状況を知ることができますので、非常に好評です」(堀口先生)

加えて同校では、多目的掲示板も効果的に利用。例えばシラバスは、ホームページではなく多目的掲示板に上げて、学校関係者のみが閲覧できるようにすることでセキュリティを担保しているといいます。さらに、ウェブでお知らせの利点は、スマートフォンや携帯電話からも発信や確認ができることです。

「近年、台風などの自然災害被害が多発しており、休校の判断を迫られるケースが多々ありますが、そこでもウェブでお知らせの利用メリットを強く感じています。たとえば、土日に大型の台風が襲来した際、学校に出向くことなく、校長と連絡を取リ合って日曜日の夜に天気予報を確認した上で、翌日の判断を一斉に発信することができるようになりました。災害はあってほしくないものですが、万一の際の備えとして非常に役立つツールであると思います」と、堀口先生はコメントします。

現在、学校教育におけるICT環境の導入・整備が進んでいる状況の中で、保護者とのコミュニケーションにウェブでお知らせを導入し、いち早くICT化した芝中学校・芝高等学校。今後もウェブでお知らせが迅速かつ正確なコミュニケーションを支えていくことが期待されます。

芝中学校・芝高等学校

東京都港区芝公園3丁目5番37号

江戸時代の増上寺の僧侶養成・徒弟教育の施設を起源とし、1906(明治39)年3月、旧制中学校として設立。1948年の学制改革により現在の中学校・高等学校に改組された。浄土宗の精神のもとに中高6年間の完全一貫教育を提供する男子校である(高校からの生徒募集は行っていない)。自由でおおらかな校風が特徴であるが、難関大学への高い進学率を誇る名門進学校であり、政治・経済、学術などの分野はもちろん、芸術分野などでも活躍する多彩な卒業生を輩出している。校訓は「遵法自治」。

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