金蘭会高等学校・中学校
生徒一人ひとりに対する“面倒見の良さ”を実現すべく、
学校と保護者間のコミュニケーションを活性化
導入事例
生徒一人ひとりに対する“面倒見の良さ”を実現すべく、
学校と保護者間のコミュニケーションを活性化
1905年の創設より、100年以上にわたり「社会に貢献する自立した女性の育成」に注力している金蘭会高等学校・中学校。同校は2020年4月より「ウェブでお知らせ」の利用を開始し、2022年4月より全学年へ拡大しています。サービス導入にあたっては、どのような経緯があったのでしょうか。その全貌を伺いました。(2022/08インタビュー時の内容となっております。)
金蘭会高等学校・中学校
副校長 上田 朗氏
金蘭会高等学校・中学校は、1905年、大阪府立堂島高等女学校(現在の大阪府立大手前高等学校)の同窓会組織「金蘭会」が運営する女学校として創設。1973年より少数制の30人学級制度を導入し、自立した女性になるために必要な「学力、主体性、協働性」の育成に力を注いでいます。副校長の上田朗先生は、同校の特徴を次のように述べます。
「近年は学校の共学化が進められる傾向がありますが、本校は『社会に貢献する自立した女性の育成』という建学の精神を全うするべく、女子校を貫いています。今後は1クラス30人の少数制の強みを生かし、一人ひとりに目が届き、細かい気配りができる体制づくりに注力し、生徒や保護者に対して“面倒見の良さ”を強調していく方針です」
そのような体制づくりを推し進めるうえで、学校と保護者間のコミュニケーションに課題があったと上田先生は指摘します。
金蘭会高等学校・中学校
高3学年主任 積川 淳一氏
「欠席連絡は当日の朝8時から8時20分に電話をかける決まりになっており、担当教員は交代で早出をして電話を受けていました。電話が集中するためつながりにくく、仕事や家事で慌ただしい保護者の負担にもなっていました。この欠席連絡を合理化できないものかと考えていたのです」
同校では、かねてより登下校通知サービスを導入しており、オプションとして連絡機能も利用していました。しかし、一部の管理者しか操作できないなど、使い勝手のいいものではなかったようです。このような弱点が修学旅行のタイミングで露呈したと明かすのは、高3学年主任の積川淳一先生です。
「大阪からハワイへ、深夜発の2便に分かれて旅立つ予定だったのですが、1便が欠航となってしまいました。深夜ということもあり、登下校通知サービスを扱える管理者は学校におらず、生徒には携帯電話の持参は禁じていたため、保護者に連絡ができませんでした。連絡できないまま深夜2時になり、保護者からお叱りを受けました。その際、何らかの方法で保護者と連絡のとれるツールが必要だと実感しました」
同校では生徒にタブレットを1人1台配布しているため、担任との密な連絡が取れています。一方、教員と保護者との連絡は電話や対面、郵便などの手段に頼っており、効率的なコミュニケーションツールの導入が求められていました。Webサイトなどで情報収集を行った積川先生の目に留まったのは、NTTレゾナントの「ウェブでお知らせ」でした。
「幾つものサービスを検討したのですが、機能が豊富過ぎで高額なものなど、決め手に欠きました。そんな折、『ウェブでお知らせ』を見つけました。教員と保護者の密なコミュニケーションを実現する『メッセージ』をはじめ、必要な機能がそろっていて、低コストに利用できることから導入を即断しました」
さらに、上田先生は欠席の連絡がPCやスマートフォンで行える機能「欠席等届出」も評価したと語ります。
「欠席や遅刻の電話を受ける担当教員の稼働を抑え、保護者の負担も減らせる機能だと思いました。『他校でも実績のある連絡ツールを導入してほしい』という保護者からの声も後押しになったかもしれません」
導入の準備を進めていたところ、新型コロナウイルスの感染拡大により緊急事態宣言が発出され、同校も臨時休校を余儀なくされます。生徒・保護者との密なコミュニケーションが一層必要になると感じた積川先生は、急ピッチで「ウェブでお知らせ」の導入作業を進めたといいます。
「先にお話しした登下校通知サービスは、中学生を対象にしていました。当時の『ウェブでお知らせ』に切り替えると、登下校通知ができなくなりますので、より丁寧なケアが必要な中学生については、従来の登下校通知サービスを継続することにしました」
そこで同校は、まず2020年4月に高校1年生を対象に「ウェブでお知らせ」を導入しました。翌2021年4月には高校全体へ拡大し、その一方で、サービス一本化を図るために、登下校通知機能を「ウェブでお知らせ」に実装できないか、NTTレゾナントに打診します。
そうした要望を受けて、NTTレゾナントでは「ウェブでお知らせ」に登下校通知機能を追加するために、同校とともに実証実験を開始。試行錯誤を重ね、実装する目途もたったことから、同校は2022年4月より、中学も加えた全校展開を決めます。
これまでの一部導入ではなく全校展開を図るにあたり、積川先生には大変なご苦労があったようです。
「3月から4月は、学校にとって最も多忙な時期です。卒業、入学、さらにはクラス替えもあり、さまざまなデータを一斉に切り替える必要があります。『ウェブでお知らせ』も同様に、新年度のデータに切り替える必要があり、NTTレゾナントには、アドバイスやサポートをいただきました。時には深夜に電話で相談したこともあり(笑)、とても感謝しています」
こうして、予定通り「ウェブでお知らせ」の全校展開はスタート。着実な成果が出ているようです。
「『欠席等届出』で簡単に欠席や遅刻の連絡ができるため、電話の本数が減少しています。人為的なミスも減り、情報伝達の精度も上がっていると思われます。これまで紙のプリントで行っていた学校からのお知らせも、『メッセージ』を使ってダイレクトに保護者に送れるため、伝えたいことが早く、確実に伝わるようになりました。こうしたコミュニケーションの密度・精度が改善されたことで、担任と保護者の信頼関係が深まったことが最大の成果だととらえています」(上田先生)
「デジタルネイティブな保護者が多いため、スマートフォンから直感的な操作で欠席連絡などができる使い勝手の良さは評価されている印象です。プリントの印刷にかかるコストダウンも魅力ですが、やはりスピーディに情報のやりとりができるようになったことを高く評価しています」(積川先生)
今後はもっと幅広い機能を使って、さらなるコミュニケーションの活性化、業務の効率化を図っていきたいと展望を語ります。
「いいサービスなので今後も使い続けるつもりです。ぜひともNTTレゾナントとはいい関係を築き、研修などを定期的に開催してほしいと考えています。教員の負担を減らすことで時間が有効に使えたり、多忙な保護者に喜ばれたりする、さまざま事例やノウハウを教えていただきたいですね」(積川先生)
「もっとサービスを使いこなすことができれば、今以上に業務の省力化が可能かと思います。今後もNTTレゾナントのサポートをいただき、さらに利用率を高めていきたいと考えています。新たな機能にも期待する一方、いまある機能のユニークな使い方などのアドバイスにも期待しています」(上田先生)
学校と生徒、保護者を緊密なコミュニケーションでつなぎ、一人ひとりに目が届き、細かい気配りを目指す金蘭会高等学校・中学校。「ウェブでお知らせ」は、同校の“面倒見のいい”教育体制づくりに欠かせないツールとなりそうです。
※NTTレゾナントとはウェブでお知らせの旧提供会社でございます。
School Information
大阪府大阪市北区大淀南三丁目三番七号
1905年、大阪府立堂島高等女学校(現在の大阪府立大手前高等学校)の同窓会組織「金蘭会」が運営する女学校として創設。1973年より「一人ひとりの生徒を大切にしたい十分に関わりたい」「行き届いた教育をしたい」という思いから30人学級制度を導入する。中学校では英語学習や情報教育に力を入れており、高等学校では普通科の中に進路に応じた5つのコース(文理進学コース、看護・医療コース、こども教育コース、グローバルスタンダード(GS)コース・アスリートコース)が設置されている。バレーボール、新体操などのスポーツにも注力しており、輝かしい成績を残している。アスリートをはじめ、女優、ミュージシャン、市会議員など、社会の一線で活躍する女性を数多く輩出している。