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導入事例 -倉敷市立粒江小学校様-

2012年よりご利用いただいている倉敷市立粒江小学校 尾島校長先生にお話をお伺いしました。(2013年2月取材)

“教育スクウェア×ICT”フィールドトライアル」への参加

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尾島 校長先生

―質問:
御校は、2011年度から始まり来年度(2013年度)最終年を向かえるNTTグループによる実証実験「“教育スクウェア×ICT”フィールドトライアル」に参加していらっしゃいます。
それ以前も、早くからITを活用した教育への取組みを始めていらしたようですね。
尾島校長:
私は、もともとカメラが好きだったこともあり、以前からビデオ教材を制作していました。そんなこともあり、パソコンが出始めの頃から、今で言うところのITというものに関心がありました。当初は、パソコンはあくまで校務の仕事を簡単にしてくれる道具と思っていたのですが、マイクロソフトのウィンドウズが登場しプレゼンテーションソフトが出始めたころから、画像が使えるようになり、これなら児童に対して教材としても活用できるのではないかと考え始めました。

8年前にデジタル教科書を使ってみようとプロジェクタを購入したのですが、当時はスクリーンに映すまでのセッティング等が難しく、時間がかかったため、うまく活用されませんでした。いろいろと試行錯誤するうちに、やはり、授業で使用する先生方にとって、操作がわかりやすく、使いやすいものでなくてはうまく活用されないということを実感していました。

そこに「“教育スクウェア×ICT”フィールドトライアル」のお話があって手を挙げたわけです。NTTグループにはいろいろと相談に乗ってもらって、短焦点タイプのプロジェクタを導入したり、また子供たちがタブレット端末を楽しんで使えるように、様々なアプリケーションを提案してもらったりしています。

タブレットの活用に向けた取り組み

―質問:
ウェブでお知らせ(の掲示板)を利用しようとしたきっかけは何ですか?
尾島校長:
本フィールドトライアルでは、子供たち一人ひとりにタブレット端末が配布されたので、それを活用して何か面白いことができないだろうかと考えました。そこで思いついたのが、教室でTV番組の「平成教育委員会」のようなことができたらいいな、ということでした。つまり、一人ひとりが自分のタブレット端末に書いた答えが、教室の前の大きな画面に全員分一覧できるように表示されて、みんなでそれを見ながら議論したりする、といったイメージです。

ところが、子供たちにとって、キーボードを使って文字を入力することが思いのほか障壁になることが明らかになりました。キーの配列を覚えるには時間がかかりますし、そもそもローマ字をしっかり学習できていないといけませんでしたしね。そこでNTTグループに相談に乗ってもらって、いろいろな入力方法を試してみました。ところがどれも一長一短あって、これだというのが見つからない。

しかし、この課題は子供たち自身が解決してくれました。私たちも知らなかった、タブレットの手書き認識による文字変換機能をいつの間にか見つけ出し、「先生、こうすれば難しくないよ。」と、見せてくれたんです。よし、これならキーボード学習はいらない、習うより慣れろだと思い、まず夏休みの間、オンライン掲示板にみんなで書き込む日記のようなものを書かせてみようと考えました。夏休みに入ると子供たちは学校へ来なくなるので友達と会えなくなるわけですが、その会えない状況の中で交流が出来るとしたら、これは面白そうだというふうに考えたわけです。

夏休みの間、毎日パソコンを開いて書き込みを見ていました。思ったとおり、みんな楽しそうに書き込みしていました。普段の授業中は、あまり発表ができない子までもが書き込んでいたのは少し意外でした。やはり、キーボードの壁を乗り越えられたのが大きかったのではないかと思います。

夏休みが終わり、さて、今度は学校の中でどうしようかという話になりました。
実は、夏休みに使っていたシステムは、IDとパスワードがクラス全員共通で、ニックネームなどでの書き込みも可能なものだったので、より安全に使うために個人の認証ができるものはないだろうかと考えました。
そこで、ウェブでお知らせ(の掲示板機能)にたどり着いたというわけです。

掲示板機能で「学級SNS」を実現

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―質問:
どのように活用いただいていますか?
尾島校長:
学校内では、「学級SNS」という名前で呼んでいます。クラスごとに、授業や行事を通して自分が考えたこと、感じたことなどを書かせています。学校でだけでなく、家に帰ってから宿題として書き込む場合もあります。

実を言うと、夏休みのみんなで書き込む日記では、話し言葉でもオーケー、絵文字もオーケーというふうに自由に書かせていました。

今度は学校の授業の一環である少々オフィシャルなものとして、授業で発表するときのような言葉遣いで絵文字も無し、というルールにしています。
始めて間もなくは、自由に書き込みができた夏休みのみんなで書き込む日記からの切り替えがうまくできず、言葉遣いや内容について指導する場面もありましたが、最近では、読む側のことまで考えて、改行の位置を工夫できるようにまでなりました。
―質問:
苦労されている点はありますか?
尾島校長:
スレッドの立て方、テーマの決め方が難しいですね。
ある時は道徳の授業の感想を書かせてみたのですが、偏った一面しか見えないようなテーマは向いていないですね。もっと多様性のあることをテーマにしたほうがいいように思います。例えば、社会の授業で、日本の漁業はこのままでいいの?どう思う?といったようなテーマや、理科の実験の予想、実験前後での自分の考えなどだと面白いかもしれません。かなり工夫がいるし、研究していかねばならない部分だと思います。

「言語活動」のためのツールとして、さらなる活用へ

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―質問:
今後は、どういったことに使って行きたいとお考えですか?
尾島校長:
ここまでやった以上はもうちょっと行きたいな、と考えています。
夏休みにやったみんなで書き込む日記と、授業や学校行事の感想等を書き込む学級SNSとをウェブでお知らせ(の掲示板機能)の中で併用しながら、子供たちにオフィシャルな部分とパーソナルな部分を使い分けさせたいと考えています。

どちらも、ただ単に自分が書き込むだけでなく、他人の書き込みに対して質問したり、応答したりということももっと促して行きたいですね。前提として、相手が傷ついたり、いやな思いをしないようにしようと指導しているのですが、実際のところは、人の書き込みに対して、ツッコミを入れる子もいればちょっとした揚げ足を取るような書き込みをする子もいます。
ただ、それらを頭から否定するのではなく、肯定しながら、もうひとつ上の段階として意見を交わすことを目指して行きたいと思います。

学校で教えることの中心に、重要なキーワードとして言語活動というのがあると思います。言語活動にはコミュニケーション能力やプレゼンテーション能力といったものが含まれるわけですが、それらは子供たちが社会に出ると重要な武器になる。小学校の間に、そういった能力の素地となるものを子供たちに身に着けさせる道具の一つとして、この学級SNSを活用していきたいと考えています。
―質問:
本日は貴重なお話を有難うございました。

学校情報


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倉敷市立粒江小学校
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